Z世代を中心に多くの利用者がいるファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」。
ネットで名前を見かけたり、利用されたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
人気の理由はその安さ。
ニットやワンピースなどの衣服が500円以下で購入できたり、ピアスなどのアクセサリーにいたっては100円ほどで購入できるほどの破格です。
そのうえ、デザインなどもトレンドがおさえられており「かわいいものを安く買える」。
アメリカのセレブが推したこともきっかけで、「中国初のZARA」ともいわれるほど全米でも大人気。年間4兆円近い売上実績があります。
人気な一方で
- 安すぎて不安
- クレジットカード情報が盗まれるのでは?
- 変な匂いがした
ネガティブな意見もあります。
日本やアメリカで爆発的な人気がある一方で、販売国の中国ではまったく知名度がありません。
私も安さに魅力を感じ、一度SHEINを利用したことがありますがそれ以降は利用していません。
今回はその理由についてお話したいと思います。
そもそもなぜSHEINは安いのか?
SHEINで安く購入できるのは、ネット通販で実店舗を持たないため人件費と店舗経営費がかからないからです。
他にも
- AI技術で在庫管理されており生産量が最適化されている
- 企画から販売まで超短期間で行われている
- SNSを巧く利用し広告費が抑えられている
- 製造から配送まで一貫されており仲介手数料が削減されている
- 個人輸入扱いで関税が無料
など、色々な面でコストカットがされているといった理由があります。
安さの本当の理由は?
人件費や店舗維持費など、大幅なコストカットがされているとはいうものの本当にあの価格帯が実現できるのでしょうか。
利用前は
中国製品だし~、あんま品質良くないから安いんだろうなぁ~
と思っていました。
ですが実際、購入してみて商品の品質が気になることはありませんでした。
「安っぽいな~」ということはあるものの、壊れやすいなど製品の初期不備といったことはありませんでした。
使用している材料が安すぎるといったことはなさそうです。というよりほぼ同じといった印象でした。
劣悪な労働環境で人件費をおさえている
昨年イギリスのドキュメンタリーテレビが、中国に位置する2つのSHEIN工場での労働環境について取り上げました。
内容は
- 低賃金での長時間労働
- ミスをした労働者への多額の罰金
- 生産ノルマを達成しないと罰金
また、工場ではウイグル人が強制的に労働させられており人権が無視されているとのことも。
よくある中国批判なのかなと思っていたのですが、実際に工場で勤務している方のコメントがSNSで発信されておりその劣悪な労働環境は真実味を帯びています。
- 1日18時間働き、休日は月に1日しかない
- 1着につきわずか6円しか得ていない
- 初月の基本給が保留にされている
- そもそも基本給などなくノルマ制
- 1つのミスで日給の2/3の罰金がある
- 仕事後に時間がないため昼間に洗髪をする
- 工場で寝泊まりしている
と、かなり衝撃的な内容です。
この報道を受けSHEINが労働条件の調査を開始しています。
調査の結果、2ヵ所のサプライヤーで労働時間について現地の規定に従っていないことが判明しました。
独立した調査では最長13.5時間働いているとのことで、
報道された18時間とまではいきませんが、長時間労働させていたことは事実だったようです。
どこまでが真実かは分かりませんが、「労働者に公正な賃金が支払われている」「違法な形で賃金を減らすようなことはしていない」とノルマや罰金などについては一部否定しています。
SHEINがあの安価な金額で販売できるのは労働者の方の人権を無視した結果に実現できた金額といえます。
報道を受けて2022年末にSHEIN側は報道された2ヵ所のサプライヤーへの発注を減らしていると発表。また、1500万ドル(約20億)を投じ施設刷新をすると明言しています。
3、4年かけて資金を投じていくと話しているので、すぐに労働環境が改善されるとは考えにくいです。
AIで作成しているのでデザイン料が無料?
SHEINは一週間になんと10万点の新作を作っているとの報道もあります。
ZARAが年間2万5000点を扱っているといわれているので、10万点というのがいかに異次元な数字なのかというのはお分かりいただけると思います。
商品の企画やデザインなど、商品開発の工程を考えるとそんな異次元なスピードは考えられません。
SHEINがそれを可能にしているのは最先端のAI技術を搭載しているからと言われています。
さすがデジタル大国。
AIがトレンドのデザインや世界のキャラクターなどを模倣しデザインしているためデザインにかかるコストはほぼかかってないといえるでしょう。
著作権問題
AIの作成したデザインが原因で起こっているのが「著作権・意匠権問題」。
クリエイターの方が一生懸命作成されたものをこうも簡単に真似をし、しかもお金を取って販売しているなんて考えられませんよね。
AIのチェック機能が優秀なのか、絶妙なコピーを作成しているようで完全コピーの製品はないそうです。そこがまたいやらしいですよね。
著作権問題は全世界で発生しており、アメリカでは損害賠償130億円請求する裁判も起こっています。
まとめ:完全ホワイトとは言い難い
いかがでしたか?
その価格が人気のSHEINですが、やはり安い裏には訳があるともいえます。
人権侵害や罰金などの詳細は不明ですが、強制労働の事実は間違いなさそうです。
個人的にはamazon
現在はSHEINがホワイトに運用していくことを明言しているので、今後の安心安全な経営に期待したいです!